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生産管理の経験を農業に活かしたい

脱サラを経て、大台町でいちごの栽培に取り組まれている西岡利幸さん(54)。これまでの経緯や、やりがいなどを伺いました。

 大台町ご出身の西岡さん。ご実家が稲作やいちごなどを生産されていたとのこと。「幼少期から手伝っていました。父のいちごは土耕栽培でした」と話されます。工業高校を卒業後、工場勤務となり、37歳の時からは香港、中国へ海外赴任されるなど、ずっと現場に関わってこられたそうです。2018年に帰国後、異動したデスクワークの仕事に無力感を覚えたこと、かねてより周囲へ「自分は50歳定年」と漏らしていたことなどから今後の人生を考え、父や幼少期の記憶から就農を決意。「妻も賛成してくれて。三重県農業大学校への進学を勧められ、これが大正解でした」と笑顔で語られます。

 2019年3月に退職。「就農するため進学すること、ずっと携わってきた生産管理の経験を農業に活かしたい」と退職理由を訴えました。同年4月、50歳の時に農大へ入学。いちご栽培を基礎から学び、生産者やJA担当者など農業系の人脈も拡げていき、2020年からの就農を目指しました。
 選んだ品種は、三重県のオリジナルブランド〝かおり野〞。「農大でこの品種の勉強をしたことや、病気に強いとの理由から選択しました」とのこと。自ら建てたハウスには換気や室温対策として換気扇などを設置。就農1年目の収穫期は「他の生産者のように感覚でパッケージに詰めることが出来ず、〝しゃべるはかり〞を購入し1粒毎に計量、粒の大きさを揃えて詰めることで効率化を図りました」。2年目からはカビの発生を予防するためさらに換気に気を配りました。カビの発生は激減しましたが、1年目に出なかったダニが2年目に発生したため、対策として天敵を入れました。「消毒を勧められたが、実を付けてからは避けたい」とのこだわりも。3年目には売り方の工夫を図り、商業施設の産直コーナーで観光客が手に取りやすいパッケージを用いるなど、試行錯誤を繰り返してきた西岡さん。
 「やりがいは人との出会い。生産者さんやケーキ屋さんなど、工場にいたら出会うことのない人脈を拡げられたこと」。また、収量等のデータを日々入力管理するなど、工場での生産管理の経験を見事に活かしています。「ハウス環境管理をビジネス化できたらいいな」とも。「地元は耕作放棄地が多いな」。ハウス用の土地を捜していた時に感じたこと。地域を守るために田の引き受けを行なっており、地域貢献にも尽力されている西岡さんの就農への挑戦は、まだ4年目。始まったばかりです。JAも全力でサポートして参ります。

Photo:大台町 西岡 利幸さん 2023.05

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