次代を担う若き生産者 ~美味しいお茶を作りたい~
伊勢茶を始め、様々な種類のお茶を生産している三重県。全国でも3位の生産量を誇るお茶づくりの盛んな地域です。今回は、大台町でお茶づくりを続けている松田製茶の若き生産者である松田晃尚さんに、お茶づくりへの想いを語っていただきました。
松田さんは平成10年生まれの22歳。家業を継ぐ意思を固めたのが17歳の頃だったそうです。「高校生活も後半に差し掛かり、自分はやはり大好きなお茶を作っていきたいと思いました」と当時を振り返ります。その後、三重県農業大学校へ進学し、お茶を専攻。卒業後、父母と従業員の方と一緒にお茶づくりに関わっていきます。
「お茶には4月から5月に収穫される新茶・一番茶、6月から7月に収穫されるニ番茶、10月に収穫される秋番茶があります。2月に年一回のみ肥料となる原材料を独自にブレンドしたものを使用するなど、土づくりには気を遣います」とのこだわりようです。2番茶や秋番茶の収穫前に施す肥料にも工夫を凝らすなど品質管理は徹底されているようで、これは三重県が認定する「みえの安心食材」の基準を保つためでもあります。また、松田製茶として「JGAP」の認定を受けるなどお茶づくりに懸ける想いは並々ならぬものがあります。「今は父の背中を追うばかり。技術的な面はもちろんですが、代々続く松田製茶の理念も含めて継承していきたい」と神妙な面持ちで語ります。
松田製茶のお茶は農産物直売所スマイル明和・スマイル多気などで販売されています。また、大型ショッピングセンターの催事では、お母様が店頭販売されるとのこと。「コロナ禍で試飲ができないのが残念ですが、好評をいただいています。お茶が日本人の暮らしに根付いていることを実感しますね」。
家業を継ぎ「少しは親孝行できたかな」と照れ臭そうに笑う松田さん。両親の期待は事務所兼工場の新設に繋がっており、事業を継承することへの責任感も感じているようです。「まだまだ父も現役ですので、今のうちに全てのことを吸収していきたい」と力強く語ります。日本の伝統文化とも言える「お茶」を将来に渡って永く生産し続けていって欲しいですね。JAとしても精一杯応援させていただきます。
Photo:大台町 松田晃尚さん 2020.12