「トマト美味しかったよ」が一番の励み
明和町でトマトを作り続けている岡村智長さん(73)は、「O.Kとまと」というオリジナルブランドを確立、初めて口にした購入者を一瞬で虜にするなど根強いリピーターも多く人気の生産者です。
【趣味を本業に】
元々は土木工事業界で営業をされていた岡村さん。30年間勤めていた会社を退職後、趣味で永年続けていた家庭菜園を仕事にしようと、農業生産者の道へ進んでいくことを決めます。平成11年、岡村さんが52歳の時でした。知人にJA多気郡の西井正組合長(当時:営農課長)を紹介してもらい、ハウスなどのほか多岐にわたって指導を受けます。さらに就農したからには学問としての知識も不可欠と三重県農業大学校へ入学、「1年間しっかり勉強しました」。
【試行錯誤】
「ハウスでの最も適したトマト栽培法はなんだろう」。研究熱心な岡村さんは“もみ殻”を使用した栽培に着手します。就農3年目にして隔離栽培に取り組み、もみ殻を培地にしたシステムを考案、現在の栽培ベースを確立していきます。また、糖度にもこだわりたいと今度は水分量調整の試行錯誤へ。「糖度の管理は概ねわかってきましたが、いまだにとても神経を使うので努力のし甲斐があります」。
【ブランド化による差別戦略】
「自分が作ったトマトに顔がない」当初から出荷時に感じていた疑問。ところが、平成13年に新設された農産物直売所への出荷が「この疑問を解決してくれる。購入者に覚えてもらえるよう自分の栽培したトマトをブランド化しよう」。ロゴやシール、メッセージカードを作成するなど目を惹き付ける工夫に取り組みます。近年ではオリジナルブランドも多く目にするようになりましたが、20年前から始めていた岡村さんは先駆者的な存在です。
【さらなる努力】
「指名買いしてもらえるようもっと努力していきますのでご期待ください」。O.Kトマトはスマイルで販売しています。人気のトマトなのでお早めにご来店の上、お求めください。
*O.Kとまとの美味しい食べ方:冷蔵庫に入れずに常温保存。食べる2~3時間前に冷してください。
Photo:明和町 O.K農場のO.Kとまと 岡村 智長さん 2020.06