美味しい農産物を作る
明和町山大淀で農業に携わる加藤 元さん。永年に渡り水稲のほか御薗大根など様々な農産物を生産されてきました。昭和40年代頃から、メロンや小玉スイカなども手掛けるようになりましたが、昭和45年に日本一と評される愛知県渥美の大玉スイカ生産者に関する記事を目にします。「小玉スイカにも通じるものがある。話を聞きにいかなければ」と、仲間と一緒に駆け付けたそうです。思い立ったら吉日。探究心からくる行動力は素晴らしいですね。
肥料や水加減の調整など「糖度を増す栽培方法など親切にいろいろなことを教えてもらいました」と懐かしそうに語る加藤さん。日々の細かな作業を苦慮しながら続け、理想の美味しさに近づいていったそうです。「味はもちろんのこと、きれいな形にもこだわっていますよ」とも。加藤さんの小玉スイカ、食べてみたいですね。
「昭和50年頃は景気も良くて楽しかった」。永年の生産者生活で一番良かった想い出を尋ねた際の加藤さんのお答えです。当時の主な出荷先は松阪市の中央市場などで、メロンやスイカなどをたくさん購入していただいたとのこと。「とにかく良く売れました」。逆に苦労したことを尋ねると、台風などの自然災害で幾度となく被害を受けたことだとも。そんなご苦労がありながら今までずっと続けていただいたおかげで、私たち消費者が手軽に食べることができているのですね。
父親の跡を受け継ぎ、半世紀以上も農業従事者として生きてきた加藤さん。まさにプレミアムな生産者です。
Photo:加藤 元さん 2019.06