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伝統野菜“伊勢いも”を守る

【伊勢いも品評会で金賞受賞】多気町の三谷嘉夫さん(81)は60余年に渡り栽培に取り組んできた巧の農業者です。平成28年度の伊勢いも品評会で金賞を受賞されるなど、栽培にそそぐ情熱は今も不変です。その管理方法は“土八分”といわれるように、最初の土づくりに細心の注意を払うこと。種いもの植え付け後、芽が出る直前に肥料を施したり、敷きワラと防除シートで覆う作業、良いつるを一本だけ残す芽かき作業、除草作業など全て手作業とのこと。手間を惜しまず大切に育てます。「種芋は親に似るのだよ」と語る三谷さん。栽培では次年度用の種いもを残すのですが、大きさと丸みを重視し、出荷をすれば高値が付く形状の良いものをあえて種いもとして残しているそうです。親子の形状が似るところは人間と同じですね。

【伝統野菜を守る】
300年の歴史を持つ伊勢いも。古くは“山の芋”と呼ばれていました。明治14年に開かれた内国博覧会へ出品され、その名は全国に広まり、明治の終わりにはアメリカへ輸出されるほど重用されました。また、大正・昭和初期には三重県代表として皇室へも献上されていた歴史もありました。
三谷さんが幼少の頃は、多気町津田地区の殆どの農家で米と伊勢いもが栽培されていたそうです。しかし、時代の流れとともに伊勢いも農家は大幅に減ってしまいました。地元の誇り、伝統野菜を残さねばとの思いが、80歳を超えてもなお、栽培し続ける原動力となっているようです。「伊勢いもを若い後継者に繋げたい」と語る三谷さん。自身よりも年長の伊勢いも農家が他に3人もおり、皆同じ気持ちで続けているとのこと。お元気に、いつまでも続けていただきたいと願います。好きな食べ方は?の問いには「とろろが一番だよ」。皆さんはどんな食べ方が好きですか?

Photo:三谷 嘉夫さん 2017.10

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