新規就農への挑戦
新規就農への挑戦明和町在住の濱口仁志さん(36)は、就農2年目の若き担い手。ご家族の協力の下、季節野菜を中心として栽培してみえます。元々はイタリアンのコックとして勤務。素材を活かした美味しい料理を作ることよりも、素材そのものを作ってみたいと新規就農を思い立ったとのこと。当初は明和町役場へ出向きアドバイスを受けていましたが、その後、明和町商工会で知り合った新規就農者の知人たちと一緒に大型ハウスを借り受けます。いざ栽培となったところで指導を受けるべく明和営農センターへ駆け込み、現在では師と仰ぐ浦田営農指導員と出会います。「農家に生まれ育ったわけではなかったので、農業用語の意味も全くわかりませんでした」と笑顔で語る濱口さん。「今でも日々勉強です」。
【コックとしての経験が】
ある日、農産物直売所へ収穫した野菜を卸しに行った際、買い物客から質問を投げかけられたことがあったそうです。「これはどうやって調理して食べたらいいの」。
この問い掛けには、元コックとしての〝おもてなしの心〞に火が付いたそうです。「調理法を聞かれると思わず高揚しますね。つい、熱く語ってしまいます」と嬉しそうに語る濱口さん。そして「当初は家族や友人から、農業を始めるって本当か?とかなり驚かれました。父からは一生の仕事としての覚悟を問われましたが、いまでは心から応援してくれています」と語る表情からは就農者としての自信も垣間見えます。
【感謝の心を大切に】
自らを〝バジリスト〞と称する濱口さん。コック時代から、バジルの香りが大のお気に入りだったとのこと。収穫直前のバジル畑で作業しながら「ここへ来ると独特の香りに癒されます」。そして、深く息を吐き出した後に「いま、こうして就農できているのも新規就農者の仲間や、ハウス周辺の農家さんほか、関わっていただいたすべての皆様のおかげです。期待に応えられるよう今後も農業を突き詰めていきたい」と語る濱口さん。ここ多気郡管内でも、地域を支える若き就農者が動き始めています。
Photo:濱口 仁志さん 2017.09