年中味覚狩りができる農園が夢
多気町の観光施設「ふるさと村動物園」の近郊に、河合さん親子のイチゴハウスがあります。イチゴ狩りのシーズンには多い日で500人の観光客が訪れます。
河合家は、敏之さん、重人さん、良太さんの親子3代で水稲4㌶、ミカン100㌃、イチゴ45㌃、ブルーベリー25㌃を栽培しています。代々ミカン農家でしたが、重人さんは収穫体験型のビジネスモデルに転換することを決意、18年前にイチゴ狩りができるハウスを立ち上げました。
「当初2年間ほどはお客が来なくて。熟しすぎたイチゴを出荷するわけにもいかず、とても悔しかった」と語る重人さんは、行商で売り歩いたことも。
転機は3年目で訪れました。新聞掲載を機に名古屋方面から問い合わせが殺到、お断りするほどの予約の電話が鳴り響いたのです。
この人気は一過性では終わりませんでした。他の園などを視察して顧客満足を探求した結果、上級ランクのイチゴを含めて、出荷に振り分けることなく来場客用として用意したことで、多くのリピーターが訪れたのです。
良太さんが新規に取り組んでいるブルーベリー園はイチゴのオフシーズンを考慮し、親たちが温かく見守る中、2年後のオープンを目指しています。
理想は、年中味覚狩りのできる四季を通したおもてなし。「今後は、キノコ狩りも始めていきたい。取り組みたい生産者には、ノウハウなどを教え、一緒に盛り上げていきたい」と語る敏之さん。
重人さんは「栽培面積が充分あり、きちんと生計が立てられるなら後継者問題は解決できる。家族だけでなく地域の農家と協力して多気町に多くの観光客を呼び込みたい」と語ってくれました。
Photo:河合さんご一家
(写真左から)敏之さん(84歳)、重人さん(57歳)、良太さん(27歳) 2014.10