私の使命ホームランスターメロン作り
皆さんご存知の明和町大淀産ホームランスターメロン、美味しいですよね。このホームランスターメロン作りを約30年続けている鈴木昌男さん(85)は、明和町の大淀地区 施設園芸部会 部会長という立場からも、栽培に懸ける想いはとても強いようです。
今回は、鈴木さんにいろいろとお話を伺いました。
昭和8年に鈴木さんは農家で生まれ、戦後間もない頃に学校を卒業し、当初はお米作を中心に、自宅で漬けた伊勢たくあんも出荷していたそうです。昭和40年代に入ると、除草剤の普及によって除草作業に向けられていた時間が空くようになり、ハウス栽培も展開プリンスメロン作りを始めたそうです。「除草剤の無い昔は大変だった」と懐かしそうに語ります。
昭和53年、圃場整備事業により水路などが整備され、鈴木さんを含めた5人で大型ハウスを建設、法人経営にも乗り出します。約10年後の昭和62年、取引先である兵庫の小林種苗からホームランスターメロン栽培を勧められます。これが〝大淀産ホームランスターメロン〞の始まりです。やがて20数名の施設園芸部会にまで発展し、ブランドイメージが定着していったようです。
「毎年1年生ですよ」と語る大ベテランの鈴木さん。ホームランスターメロン作りのこだわりを聞いた際の意外な回答です。天候、土壌、水加減、肥料など、異なる状況下で考えながら作業に携わっているそうです。「土壌検査をしてもらい、施肥設計をしてもらいます。雨天、曇り、快晴など天候を考慮しながら日々の管理を徹底すること、小さなキズもやがて大きくなるのでツル折れにも気を付けること。そしてようやく綺麗なホームランスターメロンができるのです」とのこと。1年生の意味の奥深さが垣間見えます。
ホームランスターメロン就農者も高齢化が進み、今では5名ほどに減ってしまったそうです。「昨年30歳代の若い就農者が入ってきてくれた。早く覚えて欲しい」と嬉しそうに
語る鈴木さん。「あと2・3年はできるかな」とも。大淀産ホームランスターメロンを毎年楽しみにしている方がたくさんいらっしゃいます。いつまでもずっと永く作り続けてくださいね。
Photo:鈴木さんご夫妻 2018.06