伊勢いも 新規就農者の挑戦
新規就農者として】
津市美杉町出身の小川忠康さん(42)は、平成27年4月から伊勢いも栽培の道に進んできたばかりの新規就農者です。元々はコンピューター関連の会社員をしていましたが、転職にあたり幼少の頃に家庭で野菜などを作っていた記憶や、屋外での開放的なイメージのある農業を意識し始めたところへ、種苗会社の企画する2泊3日の農業体験ツアーへ参加、「このツアーが就農への決定打となりました」。
とはいえ、全く知識のないところからのスタート。そこで、松阪市にある三重県農業大学校へ入校、1年間野菜栽培の基礎知識を学びます。
同時に卒業後の就農先を探していたところ、多気町が新規就農者への募集を熱心に行っていることを知り、そこで初めて伊勢いもと出会います。「実は伊勢いものことをあまり良く知りませんでした」と語る小川さん。地元でしか栽培できない歴史ある伝統野菜なので「だから多気町さんが熱心なんだ」と知ったといいます。「研修先の農家さんを始め、たくさんの方々に教えていただき本当に感謝しています。当初不安視していた両親も今は応援してくれています。周囲の期待に応えられるようこれからも頑張っていきたい」と一言ずつ、噛みしめながら語ります。
【JA多気郡も連携】
地元の誇る伝統野菜のため、前出の多気町を始めJA多気郡も栽培方法などの研究に関わっています。また、三重大学や相可高校生産経済科、三重県も各々の立場で連携しながら研究などを行なっています。こうした連携や取り組みは、小川さんたちの存在があってこそではないでしょうか。
Photo:小川 忠康さん 2017.10