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技術とともに感謝の心を継承したい

【イチゴ栽培の道へ】
明和町でイチゴ栽培と水稲を営んでいる山口剛司さん(58)は、農業歴29年。三重県から指導農業士に認定され、就農セミナーでアドバイザーを務めるなど次世代育成にも熱心に取り組んでみえます。
山口さんはサラリーマンとして働いていた25歳の時、父親の他界を機に名古屋から母親の住む故郷へ帰ることを決めました。3年程漁師などをしていましたが、元々実家が田を所有していたこともあり農業に転身。当時の営農指導員(現JA多気郡 西井正常務)からイチゴ栽培の誘いを受けて説明会へ参加し、地味で根気の要る栽培であること、痛みやすいため海外からの輸入は難しい等の性質から「手間がかかるほど収益性が高い」と判断、イチゴ栽培を決意したことが後の進路を決定付け、「この選択で間違いなかった」と語っています。

【感謝の心を忘れない】
山口さんは「今の自分があるのは、母親や妻を始め周囲の人たちのおかげ」と感謝の意口にされます。同期に海苔養殖からイチゴ栽培へ転身し、隣同士の場所で競い合うように始めた当時55歳の山中芳夫さんの存在も大きかったそうで「農家としては大先輩。とても熱心な方で良きライバルに出会えたことに今でも感謝」と山口さんは当時を回顧されます。高齢でイチゴ栽培を辞めた山中さんから15年前、かつて競い合った隣の場所を譲り受け、ここに自身の高齢化も想定し作業の楽なイチゴの高設栽培も12年前から始めました。
 
【次世代へ繋ぐ】
次世代育成のため、指導農業士として地元明和町在住の吉田裕俊さん(28)を農業研修生として招き入れました。吉田さんは「技術的なことはもちろん、多くのことを吸収したい」と元気に話します。山口さんは「どんどん吸収してライバルになれ」と語りながらも、優しく見守る表情は、まるで自身と山中さんとの関係と懐古しているようです。

Photo:山口 剛司さん(右)と吉田 裕俊さん(左) 2015.11

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