次郎柿のおいしさをいつまでも
【次郎柿生産に携わる】
多気町の小野健一さんは高校を卒業後、三重大学農業別科(当時)で農業を専門に学び、永年に渡り果樹生育の指導者として生産者をサポートしてきました。その後、指導者としての道をリタイアし、自ら次郎柿などの果樹栽培に携わる傍らJA多気郡柿部会長として活動するなど、多忙な日々を送られてきました。
【柿部会の取り組み】
次郎柿の中でも早熟品種の早生次郎柿は多気町が発祥。広域で生産されている富有柿に負けない“シャキシャキした歯ごたえと糖度の高い甘味”が特徴です。地元での根強い人気に支えられた出荷を中心に、名古屋、大阪など都市部での販売実績も積み上げてきました。最近では、三重県の支援を受けながら、東南アジアのタイ王国への輸出も展開されているとのこと。「多気郡産の早生次郎柿はタイの人たちの味覚に合っているようです」と語る小野さん。昨年来日されたタイの百貨店バイヤーから、かなり手ごたえを感じたようです。
【生産者の努め】
小野さんは「次郎柿など果樹は嗜好品。調理して食べるものではないので、その味覚はストレートに伝わります。美味しい柿を生産、収穫しないと」と語る一方、「産地として、量を採っていき続けることが大事」と噛みしめるように語ってくれました。基本となる生産技術があって初めて、高級品化や高付加価値化といった取り組みができるとのこと。これからも柿部会長として、また生産者として、多気郡産早生次郎柿を“これからも永く生産し続けること”や“高い付加価値を付けるため”に活躍の場を拡げていくことでしょう。
Photo:小野 健一さん(左)とタイ王国の百貨店バイヤー(右) 2015.08