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 直売所の繋がりは時空を越えて

 山作みかん直売所
多気町平谷にあるファーマーズマーケット“山作みかん直売所”を営む中井正比誇さん(74)と節子さん(75)ご夫妻。昭和50年頃、みかんの生産者である先代が、収穫したみかんを地元の方々に直接販売しようと開設しました。また、令和6年から新規就農者となった娘婿の不殿裕史さん(50)も、この直売所に関わっていくことになります。

地域住民の様々なニーズに応える
正比誇さんの祖父が始められたみかん栽培。「昭和30年代だったでしょうか。子どもの頃にお手伝いした記憶がありますね」と懐かしそうに語ります。また、昭和50年頃、正比誇さんのお母様が、嫁いできた節子さんの気立ての良い性格を見込み、直売所を造ります。「家族で収穫したみかんを地元の方々へ直接販売することで、喜んで頂きたかったのではないでしょうか」と節子さん。その後、みかんの他、柿も販売。また、様々な農産物等を仕入れることに長けた親族の力も借り、販売する商品を増やしていくことで賑わいを見せていったそうです。正比誇さんは定年を機に専業農家として引き継ぎましたが、年齢と共に収穫量も減っていくことになります。

大工からの転身
約30年、大工として従事されてきた不殿裕史さん。ここ数年仕事が減少していたため、大工以外の道を考え始めます。妻の両親の存在で農業を意識し、JAや役場へ相談に出向き就農を決めます。そこで多気町が委託する3名のいちご栽培サポートリーダーを紹介され、1年間の研修期間を経て令和6年4月に新規就農者として自立を果たします。13アール4棟のハウスを自ら建築。大工としてのコストダウンは図れましたが、ハウスの設備投資費に「改めてイチゴ生産者としての覚悟を決めました」。昨年の12月に初めての収穫を迎え、義両親や妻、子どもたちも楽しみにしてくれたそうで「研修、準備期間も含め大変なことばかりでした。家族の応援がなければここまでたどり着けることはなく感謝しかありません」と語ります。「品種は章姫です。今年は三重県発の新品種である“うた乃”にも挑戦したい」と意気込みます。

時代や世代時空を越えて
初収穫を迎えたいちごは「“山作いちご”で売り出します。子どもたちが手伝ってくれたら、農家としては5世代の繋がりになりますね。“山作みかん直売所”が地域住民にとって存在感のある場所として再び輝きを放つ可能性を見出していきたい」。と語る裕史さんの挑戦はここからがスタートです。


Photo:多気町 中井正比誇さん 節子さん 不殿裕史さん 2024.12

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